整骨院の経営を支えてくれるものとは、何だと思いますか?
それは、あなたの整骨院の「ファン」───
つまり、繰り返し来院してくださるリピーターのお客様です。
リピーターはあなたの院の魅力を、価値を、理解しています。莫大な広告費用を投じなくても新しいサービスを試してくれますし、口コミで整骨院のことを周りの方に広めてくれます。
整骨院の安定した経営のためには、リピーターは欠かすことのできない大切な存在です。そんなリピーターのお客様を獲得することは、そう簡単なことではありません。
しかし、安心してください。リピート率を飛躍的にアップさせるための「コツ」というものが、ちゃんとあるのです。この記事で、その「コツ」や押さえるべきポイントを、分かりやすく、具体的に説明します。
ここで説明することをしっかりと理解し、丁寧に実践すれば、あなたもきっとリピーターを増やすことができるようになります。
(なぜリピーターが大切なのか、という詳しい理由は、「売上を上げたい!新規集客が先?リピート率アップが先?」の記事で紹介しています。ご存じない方は必ず読んでください。)
目次
接客の「ちょっとした工夫」こそ、リピーターを増やすコツ
リピーターを増やすのに、専門的な勉強や厳しい訓練、高額な投資などは必要ありません。必要なのは、日々の接客の中での「ちょっとした工夫」です。
これから説明することは、とても当たり前のことのように思えるかもしれません。
しかし、驚くほど多くの方が、これらを実行できていないのです。
「たったこれだけ?」ということで、大きな違いを生み出すことができます。
それでは、ちょっとした工夫とはいったい何なのか、見ていきましょう。
治療院はサービス業であると意識する
「サービス」という言葉を、辞書やインターネットで検索してみてください。そこにはこう書いてあるはずです。
- ・人のために尽くすこと
- ・他人に奉仕すること
- ・お客様をもてなすこと
そんな意味を持つサービス業とは、お客様のためを考えて、お客様のために技術や知識や労力をフル稼働させ、その代金としてお金を頂戴するビジネスなのです。
そして、整骨院を始めとした治療院は、サービス業です。
つまり、「お客様のため」という姿勢が、大前提として必要だということです。
・施術のとき、どんなことを考えていますか?
・商品を勧めるとき、どんなことを考えていますか?
・売上を考えるあまり、ついつい「売り込み」をかけてしまってはいませんか?
また行きたくなる治療院とは
いい治療院、店舗というのは、
「まだ、ここに居たい」
「また、ここに来たい」
そう思わせてくれるところです。あなたがリピーターになっているお店や施設は、どんなところでしょうか。
- ・なぜスターバックスには多くの人が何度も訪れるのでしょうか。
- ・高級レストランに「また行ってみたい」と思うのは、味が良いからだけでしょうか。
- ・ディズニーランドは、アトラクションとキャラクターだけが人気の理由でしょうか。
だからこそ、ちょっとでも強引な売り込みがあると気持ちが引いてしまうのです。
商売っ気を出して、自分本位な売り込みをかけてくるお店に「まだ居たい」「また来たい」とは思わないでしょう。
大切なのは、先生の意識、スタッフの教育、院内の雰囲気づくりによって「まだここに居たい」と思っていただけるような配慮をすることです。例えば、どんなことでしょうか?
「まだ居たい」「また来たい」を治療院で生み出す方法
当日の施術の説明や、症状の変化に応じた再来院の提案をすると同時に「今日はいかがでしたか?」と優しく声をかけてみる。
これだけで、患者様は「自分を気にかけてくれている」と感じてくれます。
これは患者様の声を拾えるという点でも、とても大事な心掛けです。
初診の方でも、お帰りになる頃には施術中のお話によって心を開いてくださっていることが多いので、気持ちを伝えてくださいます。
「優しい気遣いのお声掛け」は必ず行いましょう。
そのあとも大切です。
よほどのことがなければ、患者様は「良かったです」、「安心しました」と言ってくださるでしょう。
このとき、とにかく素直に喜びましょう。そして素直にお礼を述べましょう。ありがとうございますと、心からそう思うことが大切です。
気持ちは、あなたが考えている以上に患者様に伝わるのです。
サービス業は、人と人とが関わるものです。「ここのスタッフは、気持ちの良い人だな」と思ってもらうことこそ、目指すべきゴールです。
強引な売り込みした接客ではリピーターは生まれない
売上を上げたい、と思うことは悪いことではありません。
しかし、近道をしようとすると、それは目的とは逆の結果を招くことになってしまいます。
ノルマや売上などの考え方は、院目線の院本位であって、患者様には関係のないことです。これを押し付けるような売り込みは、結果的に患者様を遠ざけてしまうでしょう。
本気で患者さまのことを考え、心配し、症状が良くなったことを喜ぶことが、患者様目線の患者様本位です。
当たり前かもしれませんが、患者様ご来院から施術中、次回予約、お会計までの一連の流れの中で、常にこの気持ちを持ち続けることが、サービス業である整骨院には求められるのです。
そうすることで患者様も心を開き、笑顔になって、その結果、信頼関係が生まれます。こうなって初めて、新商品などをご紹介しても売り込みだと警戒されず、「私のために言ってくれている」と思っていただけます。
その商品もまた、患者様にとても効果的だったら、どうなると思いますか?
これが連鎖することで、今度は患者様のほうから「次はどうしたら良いですか?」とご相談をいただくまでの関係をつくることもできるのです。
接客を工夫!治療院でリピーターを作る3つのステップ
「強引な売り込みをせず、気遣いのお声掛けをすることが大切」ということまではお分かりいただけたと思います。
このときに効果的な3ステップのポイントを紹介するので、実行してみてください。
- 1.初診時は説明することが多く、一方的な話になりがちなので、あらかじめ施術の説明をマニュアル化をしておきましょう。必要最低限で最大の理解を得られるような準備をしておきます。そして、生まれた時間を患者様との対話に使います。
- 2.施術をする大切さと同時に、話を聞く大切さを理解しましょう。患者様との会話の中に「本音の来院動機」「「症状の根幹」などが見えてきます。
- 3.そして接客で一番大切なことは、患者さまのニーズを拾い上げ、的確に応えることです。患者様との対話の中で見えたニーズに対して、患者様の目線になって本気で考え、ベストな提案を差し上げるのです。
お客様の身体を知る前に、お客様のパーソナリティーを知る
患者様が来院したとき、始めに何を知ろうとしますか?
患部、症状…これは確認するはずですね。
しかし、そこで終わってしまっていませんか?
それでは患者様の本当のニーズを理解することはできません。
ニーズを理解できなければ、患者様の目線でベストな提案をすることはできません。
患者様目線のベストな提案ができなければ、患者様は満足してくれません。満足してもらえなければ、信頼関係は生まれず、ファンになってはもらえません。
- ・患者様はなぜ、来院したのか?
- ・なぜ他ではなく、この整骨院を選んだのか?
- ・症状の原因は?どんなライフスタイル?
- ・すぐにでも治したい?じっくり改善したい?
- ・経済的に余裕はある?時間的に余裕はある?
- ・おしゃべりは好き?嫌い?
- ・新しい治療にも挑戦したい?従来の治療を重んじる?
リピーターになっていただくには、患者様のニーズに的確に応える知識と、思いやりあるサービスが必要です。
そのためにはまず、対話が欠かせないのです。
どんな小さなヒントが、どんな大きな結果に繋がるか分かりません。
何一つ聞き漏らさないぞ、という心掛けが大切です。患者様の身体を知る前に、パーソナリティーを知りましょう。
120%のサービスを提供する
あなたが人に与えたものの大きさは、あなたが得たものの大きさです。
まずは与えられるより与えるという選択をしましょう。患者様に、感動と幸せを提供するのです。
初めて訪れたお店で、自分の期待に対して120%のサービスが与えられたら、あなたはどう思いますか?「すごく良いお店だった」と思いませんか?そしてそれは、「また行ってみたいな」という気持ちに繋がりませんか?
患者様のニーズを掴んだら、それ「満たす」のではなく、それに対して「120%のサービスを提供する」───この気持ちを、常に持ち続けることが大切なのです。患者様のリクエストに対して、プロだけが持つ目線から、さらにベストな提案をすることが、患者様の感動を生むのです。
そして、この120%を実現するには、確かな技術と、豊富な知識が絶対に不可欠です。生涯、常に勉強する姿勢を忘れてはいけません。
まとめ
患者様にリピーターになっていただくためには、とにかく「まだここに居たい」、「またここに来たい」という気持ちを持っていただくことです。
そのためには、整骨院はサービス業であるという自覚を持って、「患者様のため」という精神で接してください。
売上を上げたくても、強引な売り込みは絶対にNGです。患者様の身体のことより、パーソナリティーをまずは理解するようにして、そこから得られるヒントをフル活用して、プロの目線から120%の提案を差し上げましょう。
120%を提供するには、圧倒的な技術と知識が必要なので、とにかく勉強だけは生涯続けるようにしてください。
ここで紹介したことは、基本的には意識を変えるだけで実行できてしまいます。つまり、簡単なんです。まずは、とりあえず、やってみてください。きっと効果を感じていただけるはずです。
これで土台が整ったら、次は具体的な施策を打っていきます。それについてはこちらの記事で具体例を出しているので、読んで参考にしてください。