全国の治療院関係者の皆さん、こんにちは。
あさがお整骨院・あさがおパーソナルラボ、治療一筋36年、院長の加藤秀之です。
『値上げは全然怖くない!Amazonに学ぶ〈失敗しない値上げ〉とは』の記事で、リスクをコントロールする〈怖くない値上げの方法〉について解説しました。
今回は、実際に値上げを行ううえで確認すべき注意点についてまとめます。
次の7つのポイントを押さえれば、値上げのリスクをさらに軽減することができます。
目次
1.ある程度の顧客離れを想定しておく
リスクを事前に正しく想定しておくことで、実質的なダメージはコントロールできます。
値上げをすることにより、必ず一定の顧客離れが起きます。
「え!こんなはずじゃなかったのに!」
とならないように、そのことは覚悟しておいてください。
でも、それでいいんです。
その理由は次のとおりです。
2.数字をベースにしたストーリーを描いておく
値上げによって目指すものは何でしょうか。
それは、売上を変えずに(あるいはアップさせて)稼働を下げることです。
稼働が下がれば余裕が生まれますから、サービスの質を高めたり、新規顧客を獲得したりすることに時間が割けるようになります。
この好循環を生むことが値上げの目的です。
(だからある程度、顧客が離れてもいいんです)
これを実現するためには、現状を正確に把握することが必須です。
そして、目指す理想の状態を明確に定義することも必須です。
これを、数字を用いてストーリーを描くのです。
前の記事の例をとりましょう。
2,000円×100人=200,000円→【客単価:2,000円】
2,500円× 80人=200,000円→【客単価:2,500円】
→〈顧客離反率が20%以内なら、25%の値上げをしても売り上げは変わらない〉。
こんな具合に、定量的な目標を事前に立てておきましょう。
3.値上げをするタイミング
季節の話ではありません。
経営的な観点からのタイミングの話です。
基準は、院の稼働率に置くと良いでしょう。
例えば、月の半分以上が〈暇〉な状態=稼働率50%以下で値上げをすることは、自殺行為です。
なぜか。
それは、そもそも集客が出来ていないからです。
ただでさえ集客が出来ていないところに値上げなんてしたら、そのまま本当に誰も来なくなってしまいます。
集客のベースが安定して、稼働率が70%を超えるくらいになってから、そこで値上げを検討しましょう。
集客に悩んでいる方は、この記事を参考にしてみてください。
『新患が来ない!それは地域に治療院の存在が気づかれていないことがほとんど』
4.新価格帯に合ったターゲット層を見る
値上げをすると、必ずある程度、既存の顧客は離れてしまいます。
一方で、新しい顧客層を獲得できるようにもなります。
この考え方ができない方が多いのですが、とても重要なことです。
〈値上げをするということは、ターゲット層を切り替えることだ〉と覚えておいてください。
去る者を追うのではなく、来る者を迎え入れる姿勢が必要です。
5.納得できる伝え方
友達と待ち合わせしている場面を想像してください。
その友達が、遅刻してしまったとしましょう。
そのとき、相手がこんな態度だったら腹が立つと思いませんか?
- 事前に連絡をせずに、無断で遅刻してきた
- 遅刻した理由を教えてくれない
値上げをするときには、少なくとも2ヵ月前には告知をするようにしましょう。
そのときに、説得力のある理由を添えると、納得してもらえる確率は高まります。
理由を含めて、告知は次のような意識で伝えるようにしましょう。
6.「すみません」ではなく「ありがとう」の気持ち
値上げは、特に既存の患者さまには負担をかけてしまうイメージのため、告知するときの態度がどうしても〈すみません〉という謝罪の前提になりがちです。
謙虚な姿勢はたしかに大事ですが、患者さまからすれば、謝られたところで値上げの事実は変わらないのですから、これは必要以上にネガティブな印象を与えるだけになってしまいます。
ではどうするか。
「すみません」を「ありがとう」の気持ちに置き換えるのです。
次に挙げるマインドを持って、できるだけネガティブな表現を避けるようにしましょう。
7.圧倒的なサービスを提供するというマインド
値上げをするからには、それに見合った、いや、それ以上のサービスを提供しようという姿勢を持ってください。
どんな価格でも、納得のいく対価が得られるなら、顧客は必ずついてきてくれます。
「やむを得ず、値上げします。でも、その分最高のサービスを提供します!」
このマインドを持って値上げに臨んでいるか、自分自身の胸にきいてみましょう。
この覚悟さえできていれば、きっと大丈夫です。
さらに情報がほしい方へ
いかがでしょうか?
これでもう、値上げに関する不安はなくなりましたね。
あとは行動力と判断力をもって、実行あるのみ!です。
価格設定についてさらに知りたい方は、次の記事が参考になります。
ぜひ読んでみてください。