治療院はなぜ廃業するのか?理由を知ってリスクに備えよう

全国の治療院関係者の皆さん、こんにちは。

あさがお整骨院・あさがおパーソナルラボ、治療一筋36年、院長の加藤秀之です。

 

治療院、整骨院の廃業率は高い───。

こんな不安を煽るような言葉を目にしたことはありませんか?

 

事実、治療院の廃業率は高いのでしょうか?

リサーチしてみると、4%~9%という数字にたどり着きます。

いろんなことを言う方がいらっしゃるわけですね。

調べ方が異なれば、当然出てくる数字も違う。

 

では、4%だったら「大丈夫」なのでしょうか?

逆に9%だったら、「やばい」?

 

私の意見は、「廃業率なんて関係ない」です。

 

仮に廃業率の高い業種であると判断されても、私は影響されません。

なぜならば、私は日々勉強し、研究し、実践し、改善しているからです。

9%が廃業するのならば、自分は残り91%になればいいんです。

周りがどうこう、ではなく、自分がすべきことをすれば良い。

それだけです。

 

どんな事業にも、当然リスクが伴います。

何も治療院に限ったことではありません。

 

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」

 

孫氏は言いました。

リスクを正しく理解し、失敗談からもしっかり学び、自分の状態を客観的に把握する。

そして知識をもって行動すれば、(百戦殆うからずは難しくても)ビジネスを継続するのに十分なリスク回避はできるはずなんです。

 

私の意見や知識が少しでも皆さんの役に立つよう、こんなブログの形でシェアしたいと思います。

 

数字で見る治療院営業や廃業の実態

まずは実態をできるだけ正確に把握できるように、数字を拾ってみましょう。

 

インターネット上にはいろんなデータが出回っています。

中でもソースがしっかりしていて信頼できそうな情報源として、東京商工リサーチさんの調査結果を引っ張ってきました。

 

東京商工リサーチ『2018年「マッサージ業、接骨院等」の倒産状況は過去10年で最多93件に急増、5年連続で前年を上回る

 

これによると2018年、〈マッサージ業・接骨院等〉といわれる、いわゆる治療院の倒産件数は93件あったそうです。

これが多いかどうかの判断材料としては、続く数字が参考になります。

曰く、「前年比36.7%増(前年68件)」。
件数としては過去10年間で最多で、5年連続で前年比を超えているとか。

 

治療院の数は、柔道整復だけで全国約8万、その他を含めると約13万と言われていますから、全体で見ると廃業率はそんなに多くはない印象ですね。

 

他に参考になる数値としては、

  • 個人企業が52件で全体の55.9%を占める
  • 資金は100万円~1000万円が33件で、5000万円以上のところはなし
  • 90%以上である85件が、従業員数5人未満

ということで、小規模な店舗が多かったようです。

 

では、気になる倒産の理由は?

見ると「販売不振・業績不振」が73件で最多です。

まあ、そりゃあそうだよねと思いますよね。

 

では、なぜ販売や業績が振るわないのでしょうか?

 

厳しい状況の主な要因

個別の事情は千差万別とはいえ、全体の傾向のようなものはあるはずです。

それが分かれば、対策のしようもあります。

今、治療院の業界にどんなリスクが蔓延しているのか、見てみましょう。

大きな要因は、次の3点だと考えています。

 

競争の激化

まず間違いなく挙げられるのがこれです。

とにかく店舗が急激に増えてしまっていること。

 

過去10年間のデータで見ると、養成所が増えた影響を受けて、国家資格を持つ柔道整復師はなんと176%にも激増しています。(3万8,693→6万8,120人)

これにより、治療院の数は2016年時点で13万6,460か所に増加。10年前と比べてなんと126%の2万8,321か所も増えたそうです。

 

日本の人口は順調に減り続けているわけですから、競争は間違いなく厳しくなりました。

私もこの競争の激化の影響で焦ってしまい、過去に失敗したことがあります。

 

広告規制

先生方みなさんご存知のように、業界には広告に関して厳しい規制があります。

その規制が近年強化され、それまで有効だったインターネット広告についても、一定の知識がないと違法まっしぐら、なんて状態になっています。

 

万一ご存知なければ、「医療広告ガイドライン」で検索してみてください。

下記のページなんかは参考になります。

医療法施行規則等の一部を改正する省令案

 

そもそも広告をしなければ、特に新規のお客さんは来てくれません。

でも知識のないまま広告を打てば、違法になってしまう。

 

こんな八方ふさがりの状況の中で、頭を抱えたまま答えにたどり着けなかった方は少なくないのでしょう。

 

マーケティング知識不足

「とにかく腕を磨いて技術を身に付ければ、お客さんは集まってくれる!」

 

私も一度陥った、よくある勘違いです。

技術はたしかに必要ですが、それはあくまで前提です。

ビジネスとして経営を成功させるには、マーケティングの知識がなければいけないんです。

 

私も過去に失敗し、勘違いし、そしてそこから持ち直した経験があります。

詳しくは別の記事にまとめているので、是非読んでください。

 

全て実例!整骨院の経営で失敗したコトから上手くいった施策

 

解決する方法

さあ、業績不振につながる主な要因は理解できました。

 

  • ・競争激化
  • ・広告規制
  • ・マーケティング知識不足

 

です。

 

ではそれらにどうやって対処していけば良いのでしょうか。

 

まずは大前提を確認しましょう。

業績をアップさせるキーワードは3つです。

 

 

  • ・顧客数
  • ・リピート率
  • ・客単価

 

 

これは私が考えたのではなく、アメリカのマーケターであるジェイ・エイブラハムさんが提唱した理論です。

マーケティング界では〈基本のキ〉として扱われています。

 

これが分かると、やるべきことが見えてきます。

 

 

  • ・新規顧客獲得を増やし、
  • ・リピーター化を進め、
  • ・少しでも購入単価や購入頻度を上げてもらう

 

 

ように工夫をすればいいということですね。

 

言うのは簡単です。

これを具体的なアクションまで落とし込むと、もう少し細かく分類することができます。

 

  • ・ターゲットを絞り、差別化を図る
  • ・規制に負けない効果的な集客を行う
  • ・リピーターを増やす施策を実行する
  • ・低額施術=保険診療に頼らない
  • ・値上げ=適切な価格設定を行う

 

それぞについて詳しくは、次の記事で紹介したいと思います。

気になる方は下記のリンクをクリックして、移動してください。

 

この知識を身に付ければ、廃業率なんて全然怖くなくなります。

 

 

関連記事:
これだけ見れば経営戦略がわかる!治療院・整体院・整骨院を繁盛させるマーケティングまとめ

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