売り方を変えて客単価3倍にする方法

 

「集客」というのは、課題として意識しやすいキーワードです。

 

  • どうすれば集客できる?
  • 効果的な集客の方法は?
  • 今の集客方法はなぜ効果が出ないの?

 

など、どなたでも一度は考えたことがあるのではないでしょうか。

 

お客様がいなければ始まりませんから、当然、集客はとても大切です。

しかし、勘違いしてはいけないのが、「集客ができれば良いわけではない」ということ。

「集客」ばかり考えすぎるあまり、本質的な目的を見失ってしまう、というのはよくあるパターンです。

 

では、本質的な目的とは?

そう、当然、売り上げのアップです。

どんなにお客様を集めることができても、客単価が低く、いくら働いても売り上げや利益が上がらないのでは、意味がありません。

 

集客ができるようになったら、次は客単価を上げる方法について考えなくてはなりません。

その方法をご紹介しましょう。

 

 

客単価をアップさせるための基本的なマーケティング

「客単価を上げる」という課題は、何も治療院に限ったものではなく、あらゆるビジネスで取り上げられています。

 

つまり、ここで必要なのは「治療院を改善するため知識」ではなく、「ビジネスマーケティングの知識」である、と言うことできます。

客単価をあげる方法というのは、そういくつもあるわけではありません。

 

大きく分けて、「購入単価の向上」と「購入点数の増加」の、いずれかです。

その実現方法として、基本的には次の3つを考えましょう。

あとはそこから派生させて、個々の具体策を検討していけば良いのです。

 

値上げをすることで集客に必要なコストをカット

単純な話ですが、料金体系を全体的に上げれば、客単価は高くなります。

ただし、当然のように値上げには「客離れ」のリスクが伴いますから、その点は注意が必要です。

 

一定の集客を実現している前提で、客離れの割合を想定することができれば、値上げは効果的な単価アップの方法でしょう。次の計算式を見てください。

 

  • 2,000円×100人=200,000円→【客単価:2,000円】
  • 2,500円×  80人=200,000円→【客単価:2,500円】

 

上記数値は分かりやすくするための参考値ですが、「顧客離反率が20%以内なら、25%の値上げをしても売り上げは変わらない」ということが分かります。当然、「客単価」は上がっていますね。

 

技術が伴っており、値上げ価格に見合った価値を提供できる、と考えられる場合は、思い切って施術料金を上げてみるのも手、ということです。

確かな技術があれば、離れたお客様もきっと戻ってきてくれます。

 

高額商品を取り扱う

客単価を上げるのが目的である場合、すべての商品単価を上げて、すべてのお客様の支払い金額を上げる必要はありません。

ほんの一部でも、高額なサービスを利用してくださるお客様がいれば、全体の客単価はアップするのです。

これも計算式で見てみましょう。

 

  • 2,000円×100人=200,000円→【客単価:2,000円】
  • 2,000円×97人+10,000円×3人=224,000円→【客単価:2,240円】

 

全体のわずか3%でも高額商品を利用していただければ、客単価にして10%以上もアップさせられることが分かります。

 

全体の値上げはリスクがある、と思う方は、一部の特定のお客様に向けた高額サービスを用意してみてはいかがでしょうか。

 

新しい商品を提供し続ける(リピート率を高める)

新規顧客の獲得と、既存顧客のリピーター化では、どちらの方が容易でしょうか。

イメージだけでも、後者だと分かるかと思います。

 

新規顧客には存在を知らせるところから始めなければなりません。それに対して、既存顧客は既に貴院の存在や価値を理解しているわけですから、当然、各種宣伝は伝わりやすくなります。

 

集客ができるようになってきたら、次は既存顧客のリピーター化を目指しましょう。

では、どうすればお客様は再来してくれるようになるのでしょうか。

 

その方法の一つが、新商品の提供です。

極端な例で、1種類のメニューしかない治療院があったとしましょう。

そこにはごく限られたお客様しか来院しない上、一度欲求が満たされたお客様はまた来ることがありません。

 

一方、豊富なメニューを揃え、かつ高い頻度で新しいサービスを提供する治療院ではどうでしょうか。

そこには様々なお客様がお越しになります。さらに、一つの治療が終わったあとも、別の新しいメニューがあればそれも試してくれるかもしれません。しかも、既に信頼を得ているわけですから、より高額なサービスもご利用いただきやすくなっています。

新商品を提供し、顧客をリピーター化させることで、客単価アップが期待できます。

 

治療院がすぐに取り組める客単価を上げる方法

上記では、客単価を上げる方法の「考え方」をご紹介しました。

もう少し掘り下げて、実際にどのような取り組みが有効なのか、具体策の例を見ていきましょう。

 

単価が上がる商品を扱う

価格が安く、より多くのお客様が利用してくれるような商品に注力すれば、集客もできて満足もしてもらえるような気がします。

しかし、ターゲットが広く、利用ハードルも低くて、数をこなすような商品ばかり扱っていては、客単価はアップしません。

 

単価を上げるには、ターゲットを絞り、特定の層に向けた高額の商品を用意する必要があります。

これはお客様の層や、各院の得意分野にもよるでしょうから、「これが正解」というものはありません。

 

あさがお整骨院では、これが「VRC(加圧)」でした。

資格を取得し、4畳半程のわずかなスペースに機器を揃え、無料キャンペーンで経験を積み、2年目には売上1000万円を実現することが出来ました。

 

もちろん高額なら何でも良い、というわけではありません。その前に「ダイエット」や、「高齢者向けリハビリ」商品に挑戦したこともありましたが、これらは上手くいきませんでした。

 

ターゲットとする客層や、自信の得意領域に合った商品を考えてみましょう。

 

保険適用から自費施術へ体系を変える

特に集客にこだわり過ぎるうちは、「より安く!」と考えがちなため、保険診療ばかり増やしてしまう傾向にあります。

これでは、いつまで経っても客単価を上げることはできません。

貴院には確かな技術がありますから、価値のあるサービスにはそれなりの価格をつけるべきです。

「アップセル」などという言い方をしますが、通常の施術に加えて、プラスアルファとなるようなオプション商品を用意してみましょう。

 

アップセルとは

アップセルは、「より高いものを買ってもらうこと」を意味する。 目的は、顧客当たりの売上単価の向上。 たとえば、製品のバージョンアップ時や買い換え時などに、より上位の製品やコースを薦めたり、同時に購入する数量を多くしてもらうことで、アップセルを達成できる。

引用:Webtan

 

「保険適用ではここまでですが、上位コースではこんなサービスもご提供できますよ」とご提案するわけです。

「松・竹・梅」のように、明確に内容を分けたコースを用意すると効果的です。

最上ランクを高く設定しておけば、それ以下のコースが相対的にリーズナブルな印象を与えるようになります。また、予算に余裕のあるお客様は、あまり深く考えずに上のランクを選んでくださることもあります。

価値の高いサービスを提供するところには、自然とそれなりのお客様が集まるようにもないますから、顧客層の変化によっても長期的な客単価アップが期待できます。

 

物販を行ってクロスセルを狙う

次は「クロスセル」などと呼ばれる、客単価アップの方法です。

 

クロスセルとは

クロスセルとは、「他の商品などを併せて購入してもらうこと」を意味する。 目的は、顧客当たりの売上単価の向上。 たとえば、商品の販売時や購入後のフォローアップ時に、関連商品や「この商品を買った人はこんな商品も買っています」といったレコメンドを提示することで、クロスセルを達成できる。

引用:Webtan

 

「他の商品を、一緒についで買いしてもらう」ことを目指します。

最も簡単なのは、物販です。

サプリや漢方、テープやサポーターなどを院内で販売してみましょう(※このとき、過度な売り込みをしないよう注意が必要です。)

 

物販は手間も時間もかからず、しかも高い利益率が期待できるため、クロスセルを狙うにはとても効果的な方法といえます。

在庫を抱える、というリスクが伴うため、発注には注意が必要な点だけ忘れないようにしましょう。

 

POP、張り紙などで、症状別に最適な「治療コース+販売商品」の組み合わせなどを紹介するようにすれば、自然と販売に繋げることができます。

 

まとめ

客単価アップのための基本的な考え方と、具体的な施策の例をご紹介しました。

 

客単価を上げるという発想は、治療院に限らず、広くビジネスマーケティングの領域です。

  • 「購入点数を上げる」、「購入単価を上げる」が、発想の軸になります。
  • 「値上げ」、「高額商品の取り扱い」、「新商品の提供」が基本的な考え方です。
  • 「アップセル」、「クロスセル」を意識してみましょう。

 

集客にばかりとらわれることなく、客単価も同時に上げる施策を取ることで、長期的に安定した経営を実現してください。

 

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